相続が発生すると、相続人同士で、どのように遺産を分けるのか話合いをすることになりますが、この話合いがまとまらないと、家庭裁判所で調停を行わなければなりません。

調停というのは、家庭裁判所で行う話合いの手続で、調停委員という人が相続人の利害を調整し、話合いをまとめる努力をしてくれます。

ただ、家庭裁判所が自動的に調停をしてくれるわけではありませんから、誰かが家庭裁判所に遺産分割調停の申立をしなければなりません。

誰も申立をしなければ、遺産は分割されないままの状態がずっと続くことになってしまいます。

調停では、申立人のグループと相手方のグループが別々に調停室に入って、調停委員と話をします。利害が対立するグループが顔を合わせることはないわけです。

このグループは、家を継ぐ相続人のグループと、そうでないグループの2つに分かれるのが普通です。たまに、3つのグループに分かれてしまうこともあります。

調停は大体1ヶ月に1回のペースで開かれ、話合いがまとまるか、あるいはまとまらないと調停委員が判断するまで行われます。

調停で話合いがまとまらないと、次に、家庭裁判所で審判という手続が行われ、裁判所がどのように遺産を分けるかを決定します。

調停での話し合いが1年以上、審判手続きが1年近く、かかることが多いのですが、遺産分割の争いが長引くのは、相続人の方の誰にとっても苦痛でしょう。

細かい利害の得失にこだわり、あるいは感情的になっていると、必然的に争いは長くなってしまいます。大きな経済的得失に着目し、細かい点にはこだわらない、感情的にならない、というのが、遺産分割の争いを早く解決するためのコツかと思います。